医療現場の3D-CT(コンピュータ断層撮影)検査に採用されたGPUカード搭載・アドバンテックの高性能IPCソリューション

概要

従来のCPUと比較して、医療用画像処理、スマート監視、インテリジェントビデオ解析、機械学習などのアプリケーション(産業用現場)で、GPUは大量の計算集約的なデータ処理に優れた機能を発揮します。データ処理やビデオデコードを高速化してシステムメモリを解放するほか、グラフィックス強化による正確で鮮明な画像処理を実現します。

イントロダクション

通常、医療でよく知られている3D-CT(コンピュータ断層撮影)は、非破壊検査技術であり、3D空間で対象物の外部構造や内部構造を観察および検査ができます。これは、360度の視点から対象物の数百、数千の2Dデジタルラジオグラフィの投影を撮影することによって動作します。

今回の事例での某医療機器メーカーは、ビッグデータや3D画像の生成・処理の技術に関する顧客の要求に応えるため、CTスキャン・コンピューティングにアドバンテックの高性能IPCソリューション(IPC-7130 ATX/micro-ATXマザーボード・シャーシ、AIMB-786産業用ATXマザーボード、SKY-QUAD-GV100 NVIDIA® Quadro® GPUカードで構成される)を採用しました。

128GBのメモリを搭載したインテル® Core™ i7-8700プロセッサを搭載したIPCソリューション全体で、大量のデータを様々な平面に再フォーマットしたり、構造物を立体的(3D)に表現できます。IPC-7130 ATX/micro-ATXマザーボード・シャーシには、優れたファン制御を可能にしたインテリジェント・システム・モジュールを内蔵。静かな動作を実現します。さらに、IPC-7130は、大容量の画像データをRAID 1で保存するための3.5インチホットスワップ対応HDDトレイをデュアル搭載しています。

産業用ATXマザーボード「AIMB-786」は、LANやファイバーネットワークカードなどの複数の通信インターフェースや拡張スロットに対応し、PACS(Picture Archiving and Communication System)との接続を可能にします。 一方、NVIDIA Quadro GPUカード「SKY-QUAD-GV100」は、Turing™ GPUアーキテクチャを採用し、前世代のグラフィックスカードと比較して6倍の性能向上を実現しています。

システム構成図

実装されたアドバンテック製品

  • IPC-7130: デュアルホットスワップ 3.5” ドライブベイ搭載 ATX/MicroATX マザーボード用デスクトップ/ウォールマウントシャーシ
  • AIMB-786:LGA1151 Intel® 第8/第9世代 Intel® Core™iシリーズ-対応:トリプルディスプレイ、ATX マザーボード、DDR4、USB 3.1、SATA 3.0
  • SKY-QUAD-GV100:NVIDIA® Quadro® GV100 GPU カード, 32 GB, PCI-e x16 および 4 x DP コネクタ 搭載

アドバンテックが選ばれる理由

製品のライフサイクルは、医療機器メーカーにとって非常に重要です。アドバンテックは、IPC-7130では7年、SKY-QUAD-GV100 NVIDIA® Quadro® GPUカードでは3年のライフサイクルを保証します。これにより、お客様は、新しいハードウェアの再認定や安全認証のやり直しにかかる手間とコストを節約することができます。

グラフィックカードを導入する際、ユーザーは放熱、電力予算、ケーブル配線、信頼性、保守作業などに関わる課題によく直面します。アドバンテックのハイエンドGPUカードSKY-QUAD-GV100は、最大96°C(50%クロックショーダウン時93°C)のGPU温度で250Wの電力を消費します。高い信頼性と堅牢性を備えた設計で、アドバンテックのシステムはラックシャーシ内での熱風の再循環を防ぐよう設計されております。

ゲーム用グラフィックカードの高さは2つのスロットを超えることが多く、干渉や構成、組み立ての問題が発生する可能性があります。熱プロファイル、振動テスト、バーンインテストを含むアドバンテックのデータ品質評価(DQA)プロセスは、生産効率とパフォーマンスを最大限に発揮させるため、信頼性の高い認定された統合ソリューションを提供します。