『ワン・スマート・プラットフォーム』
アドバンテックとパートナー企業が共同開発したクラウドベースのソリューションにより、冷却塔メーカーの自社装置の寿命を延ばし、業務労力に関わるコストパフォーマンス改善に成功しました。
プロジェクト概要
この先進的なIoTソリューションにより、冷却塔資産のリモートモニタリング(遠隔監視)と診断、そして全体的な性能と各コンポーネントの状態の測定が可能になりました。アドバンテックのスマートエッジプラットフォーム『ECUシリーズ&EdgeLink』を含む複数の技術の組み合わせが実現した結果、クラウドベースのソリューションとして、多数のハードウェアデバイスが不要になりました。
本案件のクライアントについて
スペインを拠点とするこの企業は、最高のエネルギー効率を得るために設計された冷却塔、蒸発凝縮器、断熱装置を設計・製造しております。同社は長年にわたり、世界中で何万台もの冷却塔を製造・設置した実績があります。
チャレンジ-あらたなる挑戦
冷却塔の所有者にとって最も頻繁に起こる課題の1つは、システム障害が発生すると、何の前触れもなく停止してしまうことです。所有者の顧客の多くは、24時間365日稼働する生産設備を運営しており、システム障害が発生した場合、この重要なプロセスの温度管理や制御ができず、停止してしまいます。停止してしまうと顧客の不満と経済的損失につながってしまいます。そのほかにも修繕費用や違約金と罰則など・・・さまざまなリスクも発生してしまいます。これまでは、当クライアントとそのパートナー顧客との間にサービスメンテナンス契約が結ばれていない場合、故障するまで設置されている装置の正確な状態を知る手段がありませんでした。
ソリューション-解決に向けて
今回ご紹介するソリューションにより、冷却塔の所有者とパートナー顧客である製造業者は、装置の性能を遠隔で監視することができ、故障したハードウェアを早期に発見し、タイムリーな処置を施すことが可能になりました。ユーザーフレンドリーなダッシュボードを通じ、製造業者側はシステムの詳細を確認し、パフォーマンスを常に最新の状態に保てるので信頼性の高いプラットフォームを受ける事ができました。
プロセスー工程について
アドバンテックのスマートエッジプラットフォーム:『ECUシリーズ&EdgeLink』は、冷却塔にあるスマートコントロールキャビネット内の電気接続に簡単に取り付けることができます(Modbus TCP)。ECUのデバイスがModbusTCPデータをtelcoネットワーク経由で EricssonCloud IoT Accelerator へ送信します。ソフトウェアは、制御システムからプロトコル変換、イベント処理、そしてデータロギング等を適切なデータ形式へと変換し、ダッシュボード画面上でわかりやすくブロードキャスト配信させるよう、ユーザーフレンドリーな状態へと切り替えさせます。このソリューションは、ほぼすべての産業用ハードウェアデバイスとクラウドベースのプラットフォームに接続できます。この場合、クライアントは各タワーのパフォーマンスや健全性に関する情報を、即座に生中継のような状態で受け取ることができます。
アウトカム-成果について
顧客側は、計画外のメンテナンス作業を最小限に抑えながら、設置された各冷却塔の稼働時間を大幅に向上できます。このソリューションを導入する前までは、冷却塔のダウンタイムは予期できないかつ歓迎されない工場の停止につながっていました。そのため、顧客の情報を中央監視ポイントに接続することがシステム要件となりました。
エンドユーザーにとっての利点
- 冷却塔の異常を事前に通知。
- 年に数回のサービスコールが不要。
- 運用エネルギーコストを管理能力で大幅に削減。
メーカーや代理店業者にとっての利点
- 顧客へのサービスレベル向上
- 競争優位性
- サービスコール1回あたりのコスト削減
- 新しい有料サービスの創出- 実運用における自社製品への深い理解
- 冷却塔の効率性と信頼性に対する認識の向上
アドバンテックが選ばれる理由
当社の製品群は、Ericsson Cloud IoT Accelerator をベースにしています。詳細は以下の通り:
- LWM2Mプロトコルを搭載しており、今後数年で予想される何千もの冷却塔のアップグレードに対応したゼロタッチを簡単に実現。
- セルラー接続のため、世界中で動作可能
- IoTゲートウェイ:『ECU-1251』がModbus TCP を使用して既存のPLCに簡単に接続
- 『ECU-1251』の Modbus シリアルポートが、アドバンテックの『WISEシリーズ』または『ADAMシリーズ』等のユニットを使用して、より多くのセンサ入力を取得するための即時アップグレードを提供(例:プログラミングにより、無償ダウンロード可能なソフトウェアを使用して簡単に構成が可能)。
結論として、アドバンテックは『共創(Co-Creation)』を、IoTプロジェクトを成功させるための重要な要素と考えております。